写真のお品物はいわの美術でお買取りしました、定岡宏の肉筆油彩画『アムステルダム』です。
定岡宏の作品はヨーロッパの街角風景を美しい色彩と柔らかな筆致で描きとった風景画が人気となっています。
定岡宏は1946年に、洋画家の定岡玲艸子の次男として愛媛県新居浜市で生まれました。
父も同地出身の洋画家で、力強い筆致で明快なリズムのある画面の風景画を得意とし、二元展を中心に活躍しました。
定岡宏は高校卒業後、多摩美術大学へ進学し、1966年に一陽会展に初入選して頭角を現します。
1969年に多摩美術大学を卒業すると1972年に二元会展で努力賞を受賞し、父に続いて会員となり、翌1973年には同展で奨励賞を受賞しました。
1979年に日伯美術展に入選し、伊勢丹や大丸、高島屋など有名百貨店で多数の個展を開いています。
生涯にわたって画題としたヨーロッパの街角風景を4度の渡欧で取材し、初めの1971年の取材旅行は父に同行して、帰国後は2人展を開催しました。
赤いテントのパリのカフェを描いた「赤いレストラン」という作品で一躍人気となり、他にもクリニャンクールなど多数のパリの風景を描いています。
その他にもフランスの地方都市やオランダなど中欧の風景を時にポップで鮮やかに、時には柔和な中間色のグラデーションで多彩に表現し、風景画で人気を博します。
惜しまれながらも1994年に48歳で早世した後も、伊勢丹などで回顧展が開かれ、定岡宏が遺した古き佳き日のヨーロッパの街並みは、現在も多くのファンに愛されています。
定岡宏はヨーロッパの各都市を描いた風景画と、花を描いた静物画の人気が高く、F20号までのサイズの作品が多く、小さいサイズは価格が高くなる傾向にあります。
赤を効果的に配した作品はとくに評価が高く、厚めに絵の具を重ねた画面の質感や、様々な色調の青を駆使した色彩の美しい調和に定評があります。
写真の作品でも、淡い空と運河の水面に、複雑な青色の掛け合わせや、落ち着いたトーンの建物と鮮やかな軒先のシェードや街路樹の対比が美しく、画家の目が切り取った風景として静謐な構図に見事に収められています。
サイズはF10号、画面と額装の状態も良好のため高評価にてお買取りとなりました。
油彩画は、室内の温湿度や直射日光の影響を受けやすく、ひび割れ等のダメージの有無がお買取り価格を左右することとなりますので、ご注意くださいませ。
いわの美術では、絵画をはじめとする美術品・骨董品を中心にお買取りしております。
ご実家やご自宅、蔵や倉庫などの整理で、ご売却をお考えの定岡宏作品がございましたら、ぜひいわの美術へご一報くださいませ。
その他、書道具、茶道具、洋食器やオーディオ機器類など幅広くお取り扱いしており、異なる品目同士をあわせてお買取りすることも可能です。
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