鼎を買取ります
鼎(かなえ)は紀元前3000年頃~紀元前2000年頃に栄えた中国の龍山文化に登場し、漢代まで用いられた道具です。
その特徴はなべ型の胴体に中空の足が3つ付き、青銅器や陶器で作られているものが主です。
特に青銅器の鼎の場合、横木を通したり鉤で引っ掛けたりして運ぶための耳が一対ついているのが特徴で、殷代中期から西周代前期にかけて方鼎という箱型の胴体に4本足が付く鼎も見られました。
また、殷代・周代の青銅器の鼎には通常は饕餮紋などの細かい装飾の紋が刻まれており、しばしば銘文が刻まれ価値が高いものとされています。
鼎は肉、魚、穀物を煮る土器として作られましたが、同時に宗廟において祖先神を祀る際にいけにえの肉を煮るために用いられたことから礼器の地位に高められ、精巧に作られた青銅器の鼎は国家の君主や大臣などの権力の象徴として用いられていました。
そのため牛をまるまる煮る事のできる大型の鼎や人を入れて煮る事ができる鼎などが存在しています。
先にも述べたように、鼎は肉、魚、穀物を煮る土器として作られたのが始まりなので現代において、実際に鼎で調理をする事はありませんが閩語では中華鍋など、鍋全般を今でも「鼎」と呼んでいます。
鼎の足が3本であることから、「鼎」という文字を用いた言葉が生まれており、3人で会談することを「鼎談」、3つの勢力が並び立つ状態のことを「三足鼎立」などと表わす言葉が生まれました。