唐津焼は日本の伝統工芸品に指定されている焼物で、現在の佐賀県東部・長崎県北部で作られている陶器の総称で、唐津焼には茶器や日用雑貨などが多く見られます。
唐津焼は古くから「一楽、二萩、三唐津」と高い評価を得ていますが、日本古来の伝統技法で作られた焼物ではなく、朝鮮半島からの技術によって新たに開拓された焼物が唐津焼だとされています。
そんな唐津焼ですが、「東はセトモノ、西はカラツモノ」と日本を二分するほどの焼物の産地として知られています。
通説では、豊臣秀吉の朝鮮出兵により陶工を連れ帰った事によって生み出された焼物だとされていましたが、近年の研究や出土状況から朝鮮出兵の時よりもやや早い30年程前に始まったと考えられています。
唐津焼は「シンプルisベスト」であるといわれ、唐津地方の特徴でもある粗い土を掘り出されたまま、ほとんど手を加えず制作を行う事が理由に挙げられます。
また「作り手八分、使い手二分」といわれており、制作者が出来を八割に抑え、残り二割を使用者が自由に使うというコンセプトがあり、料理の盛り付けや花を生けたりする事で完成にいたるという「用の美」が最も特徴的で、その他にも土に鉄分を多く含むために焼成すると暗いグレーになる事も唐津焼の特徴とされています。
このように様々な特徴のある唐津焼ですが、同じ唐津焼と呼ばれている中にも様々な種類、技法があります。
唐津焼の中でも一番種類の多い絵唐津、火の状態や鉄分量で変化して出来る斑点が特徴的な斑唐津、その他にも朝鮮唐津、粉引唐津、三島唐津、黒唐津、蛇蝎唐津、青唐津、黄唐津、彫唐津、無地唐津、刷毛目唐津、二彩唐津、櫛目唐津、献上唐津などがあり、どの唐津焼きも伝統的な技法や時代と共に進化してきた技法が現在も受け継がれています。