芝山細工を買取ります
漆工芸の一技法で、象牙や紫檀の素地に牙角、螺鈿、サンゴなどを薄肉に彫り、花卉、鳥獣、人物などを表しはめ込んだものを言います。
その技法から「芝山象嵌」「芝山彫」とも呼ばれ、この「芝山」という言葉は下総国芝山の芝山専蔵(大野木専蔵)が起こし、その一門が代表的な一派をなした事から芝山細工と呼ばれるようになりました。
レリーフ状の彫刻と象嵌を特徴とした華やかな装飾技法は、19世紀にヨーロッパで行われた万国博覧会で多くの人々を魅了し、江戸時代末期~明治時代前半にかけてヨーロッパにたくさんの芝山細工の輸出品が出回りました。
芝山細工では印籠、根付などの小さな小物から花瓶、水指、茶入れなどの茶器、飾棚、屏風など大型な家具類まで様々なものが作られ、輸出に便利な横浜に集まっていました。
また、職人たちは浅草、日暮里、根岸近辺に居を構え、数々の名品を生み出していました。
その中でも明治前期の作家として芝山惣七、芝山易政らが知られ芝山細工を手掛けた職人は多くいました。
しかし、高度な技術を要する芝山細工は時代とともに技術が散逸してしまい、現在、芝山細工を手掛ける事ができる職人は限られた職人のみとなっており、高価なものとして扱われています。