沖縄に伝来する無銘の刀です。
「千代金丸」にも他の刀と同じように伝説が残されています。
古来、統一される前の琉球王国で三山時代と呼ばれる時期があり
「北山」「中山」「南山」が争っていました。
北山の王であった「攀安知(はんあんち)」は武術に優れており
中山王率いる兵が攻め込んできても城を守り抜くことが出来ました。
しかし、戦略家の中山王は警備が手薄な場所を見つけ出し、
攀安知を城からおびき出して、攀安知の城へと攻め込みました。
それを知った攀安知は激怒し、
守護神として拝んていた石を切りつけ、自身も切腹しました。
しかし、主を守ろうとする霊力が込められていた故に腹が斬れず
志慶間川へとその刀を投げ込み、別の小刀で自害しました。
志慶間川に投げ込まれた刀は、後に拾い上げられ
中山王に献上されたそうです。
現在は国宝に指定され那覇市歴史博物館に所蔵されています。