日本刀の特徴を分類した「五箇伝」のひとつで、
他に「山城伝」「備前伝」「美濃伝」「相州伝」があります。
大和伝は大和国(現在の奈良県)で栄えたもので
「大和五派」と呼ばれる寺院系の流派を基本的に指します。
五箇伝の中でも最も古い時期に確立され、
奈良時代初期に天国が銘を切った刀が最初と言われていますが
その刀が現存していない為、確実ではありません。
都が大和国だった時代は、政権の庇護のもと作刀していました。
しかし、遷都すると刀鍛冶はそのまま大和国に残され、
注文主を失い衰退してしまいました。
しかし平安時代後期になると藤原家の仏教重視の政策により
奈良の寺院が復興を始め、寺院お抱え鍛冶として大和伝が復活し
寺院に住み込みで僧兵の武器製作が始まりました。
実践本意の刀を打っていた事と、直接寺院に納める為
現存する刀が非常に少ないと言われています。
