濤川惣介の作品を買取ります
濤川惣介は明治時代の日本の七宝家です。
下総国鶴巻村(現・千葉県旭市)で農家の次男として生まれました。
18歳で東京に出てうなぎ屋や酒屋で働き、やがて陶器等を扱う貿易商になりましたが、第1回内国勧業博覧会で七宝に強く心を魅かれ、七宝家への道に転身しました。
尾張七宝の職人達を擁する東京亀戸にあるドイツのアーレンス商会の七宝工場を買収し、革新的な技法である輪郭線のない無線七宝を発明し、名古屋の大日本七宝製造会社の東京分工場も買収しました。
また、自らの作品も国内外の博覧会に出品し、数々の賞を受賞し、宮内省から製作を依頼された赤坂迎賓館(当時は東宮御所)の花鳥の間の壁面を飾る『七宝花鳥図三十額』を作成し、七宝富嶽図額(東京国立博物館蔵)で、2011年に重要文化財に指定されました。
作品の図柄には日本画的なものが多く、柔らかな無線七宝の表現と調和するためか乳白色等の淡い色彩の地のものが特徴です。
また宮内省から多くの作品の注文を受けており、明治天皇から外国要人へ送られた贈答品の花瓶には十六八重表菊紋がデザインされています。
同じく七宝家の並河靖之と苗字の読み方が同じなので「東京の濤川、京都の並河」と称され、その名声は海外の美術愛好家にも知られています。