並河靖之の作品を買取ります
並河靖之は明治時代の日本の七宝家です。
川越藩家臣高岡九郎左衛門の三男として京都に生まれました。
数え年11歳の時、青蓮院宮侍臣並河靖全の養嗣子となると同時に、その家業を受け継いで自らが青蓮宮(後の久邇宮朝彦親王)侍臣となりました。
中国七宝(鬼国窯)の模倣をするようになり、七宝作家として志すようになります。
明治期の日本の七宝作品については、世界の七宝作品の歴史の中でも最高の到着点に達したと評価されていましたが、その中でも並河の作品は高名で、小ぶりな作品でも当時のロンドンで働く事務員の年収に匹敵するほどの価格で取引されており、特に欧米の美術館や富豪に買い取られていた為、並河の工房で保存しておいた作品以外については日本国内にはほとんど残っていませんでした。
近年においては清水三年坂美術館が海外から並河の作品を含めた明治期の工芸品を買い戻しているので、日本国内でもその作品を見る事ができます。
また、作品の色彩の豊かさと色彩の透明感は素晴らしいもので、鉱物の分量や配合の割合、焼成する際の時間や温度について気の遠くなるような試行錯誤を重ねて、多くの色彩や色彩のグラデーションを作り上げ、黒色透明釉の発明によりそれまでの七宝作品では存在しなった透明感のある深い黒が出せるようになり、背景色としてよく使われていました。