京都府出身の大正～平成時代に活躍した日本画家です。
日本画家・今尾景年の養嗣子(家督を継ぐ養子)としても知られ、家督を継ぐ存在であった事から、今尾景年の画風を受け継いだ丸山派の花鳥画を得意としていました。
今尾景年とは違ってどの美術団体にも所属する事はなく、個展を中心に作品を発表していましたが、日本画壇から注目された存在として知られています。
京都美術工芸学校を卒業した今尾景祥は本名を孝則といいます。
「景祥」の他にも「静観」という別号があり、今尾景年の養嗣子となる前は静観の号で制作活動を行っていました。
今尾景年から直接手ほどきを受けただけあり、丸山派の花鳥画は高い技量を感じる事ができます。
そのため、南禅寺に大衝立を描き、金閣寺、銀閣寺、法然院など京都の寺社へ大作を収めているという実績を残しており、久保田金僊とともに京都黒谷の金戒光明寺方丈の襖絵｢金地襖絵(虎図)｣を揮毫している事も有名です。
今尾景祥は美術団体に所属していなかった事から、目立った受賞歴はありませんが、皇室に作品を何度か献上し、アメリカのハミルトン大学に作品が収蔵されるなど、国内外で高く評価された日本画家の一人に挙げる事ができます。
