東京都出身の昭和時代に活躍した日本画家です。
人物、花鳥を最も得意として日展などで活躍し、内閣総理大臣賞、日本美術院賞を受賞しており、現代的な人物群像も得意としていました。
日本画だけではなく、折り紙作品にも秀作を残しており、複数のパーツによって生み出され、時には切込みも使ったペーパークラフト的要素の強い作品を残しています。
日本画、折り紙どちらの作品も共通して言える事は、線をとても大切にし、凛とした美しさを持っている事です。
昭和を代表する日本画家・伊東深水の次男として生まれた伊東万耀は本名を満といいます。
幼い頃から父親・伊東深水に日本画の指導を受けており、伊東深水は日本画独特のやわらかな表現による美人画で有名でしたが、花鳥画にも素晴らしい作品を残していました。
そのため、伊東万耀も人物画、花鳥画に優れ、神奈川県立近代美術館、山種美術館などに作品が収蔵されるほどの腕前を身につけています。
しかし、画家としてこれからという時に食道がんを患い、49歳という若さで父親・伊東深水よりも先にこの世を去ってしまいました。
そのため、現存する作品の数が少なく、中古市場でも入手が困難な作家の一人としてその名を挙げる事ができます。