江戸時代中期の浮世絵師。
生没年不明。
歌麿に勝るとも劣らぬ美人画作品の傑作を描いたことでも有名な絵師の一人。鳥山石燕
の門人。歌麿
と同門である。
姓名不詳。
作画期は宝歴
-寛政
年間に亘る。
初めは、百川子興と号していたが、天明末年‐寛政初年に長喜と改め、寛政8年(1797年)頃、また百川子興に戻る。
さらに享和
元年(1801年
)頃、再び長喜に戻ったといわれている。
画風は歌麿の影響が強く見られるが、かなり個性的な絵師であった。
錦絵、黄表紙、狂歌本、洒落本の挿絵及び肉筆浮世絵に優れた作品を残している。
大判錦絵の代表作に「初日の出」、重要文化財「井筒中井かん 芸子あふきやふ勢や」、「秋色女」、「蛍狩り」があげられる。
その他三枚続「なにわや店先」などの堂々とした作品が多い。
どちらかといえば長喜の時期に佳作が残されている。
肉筆では「太夫と朝比奈図」が知られる。
子興と長喜については、別人とする説もある。