長野県出身の昭和時代に活躍した日本の洋画家です。
重厚な写実技法により風景画を展開し、特に浅間山にほれ込んで制作された作品は浅間山シリーズとしてよく描き残しています。
小山敬三は構図を重視し、現地でのスケッチをもとにアトリエでデフォルメして描く事が特徴で、日本美術院、二科会、一水会で活躍を示し、日本芸術院賞を受賞した実力を持っている事で知られています。
また、フランス人女性と国際結婚しており、衆議院議員、初代小諸市長、参議院議員を務めた小山邦太郎は実兄という事でも知られています。
小諸城下・荒町の豪商の家に生まれた小山敬三は、慶應義塾大学に入学しましたが、画家を志すようになり中退してしまいます。
川端画学校で藤島武二の指導を受け、二科展、日本美術院展で初入選を果たし、画家としての頭角を現します。
その後、父親と親交のあった島崎藤村の勧めでフランスへ留学し、本格的に西洋画の研究に励み、サロン・ドートンヌに初入選してからは会員として活躍しました。
このフランス留学が小山敬三の作風の方向性を定めるものとなり、帰国後も次々に作品を発表し、受賞を重ねていきます。
二科会を退会すると石井柏亭、安井曽太郎らと一水会を立ち上げ、戦後は同会や日展を中心として活躍するようになります。
こうして、小山敬三の作品を大きく分けると、欧州時代、姫路の城を主題とする連作、そして浅間山に分ける事ができます。
1975年に長野県小諸市に小山敬三から建物と絵画が寄贈され、現在は小諸市立小山敬三美術館として開放されており、小山敬三の作品を見る事ができます。