吉井淳二は鹿児島県出身の洋画家で、庶民の生活風景を表現した事で知られており、作品には油彩画、リトグラフ、デッサンなどがあります。
吉井淳二は鹿児島県曽於郡末吉町で生まれ、鹿児島県立志布志中学校(現・鹿児島県立志布志高等学校)で学んでおり2年生の頃に画家になることを志し、3年生に進級すると油絵道具一式が与えられています。
その後、中学卒業を待たずに同級生で生涯の友である海老原喜之助とともに上京すると大東亜戦争で廃校となった川端画学校でデッサンを学んでいます。
この川端画学校は多くの著名な日本画家や洋画家を輩出したことで知られています。
その後、東京美術学校西洋画科に入学し、文部省留学生として欧州で西洋画を学び、東京美術学校の校長に就任した和田英作の教室でも学ぶと名の知れた展覧会である二科展で初入選するなど展覧会での受賞を重ね、グループ展を開催するなど積極的に活動を行いました。
卒業後は日本洋画の画壇をリードしてきた有島生馬に師事した後にフランスで海老原喜之助と再開し、パリを拠点にイタリアやオランダなど訪れ、滞在中に描いた作品を帰国後に二科展へ特別出品しました。
二科会の社団法人化に協力した後に理事への就任や内閣総理大臣賞、文化勲章を受章するなど活躍を見せ、作品制作のためにヨーロッパや南米を旅して回り、様々な展覧会に出品を続け画家として精力的に活動する他、年配者の生活すべてを文化と捉え、「福祉に文化を」を基本理念においた介護施設を設立しました。