兵庫県出身の昭和~平成時代に活躍した日本の彫刻家です。
削げたような形態と岩のような質感のユニークな作品で知ら得ており、人物像の他に海や鳥をモチーフにした具象彫刻を手掛けています。
これらの作品は、鳥たちが谷間の空を自由に遠くまで飛び交い、楽しげにしている姿など、少年の頃に見た風景を題材にして表現した作品だといわれています。
東京美術学校彫刻科を卒業した淀井敏夫は、二科展に出品した作品が二科会特別賞を受賞し、彫刻家としてデビューを果たしました。
二科会は抽象彫刻の拠点でしたが、淀井敏夫は一貫して具象彫刻の制作を続け、石膏直付け法による粗い溶岩のような肌を持つ痩身のフォルムを確立し、二科会を中心に国画会、文展で活躍を見せました。
東京藝術大学教授として後進の指導にあたりながら二科展に出品を続け、内閣総理大臣賞を受賞するなど、数々の功績を残していきます。
こうして、日本芸術院会員となり、文化功労者となった淀井敏夫は日本の具象彫刻を代表する作家の一人として注目を浴びるようになりました。
出身地である兵庫県朝来郡朝来町にある朝来町あさご芸術の森美術館に「淀井敏夫記念館」が開館し、そこでは淀井敏夫の様々な作品が屋内外に常設展示されており、見る事ができます。