芙蓉石は中国の寿山の月洋郷で採石される寿山石の一つで、主に印材として使用されています。
芙蓉の花のような上品な色合いから芙蓉石と呼ばれるようになりました。
一時期、採石所の落盤事故で坑道が塞がれてしまい、なかなか入手出来ない石となっていましたが、最近になってまた採石が行われるようになり、価格が下がってきている石です。
それでもランクの低い安価な寿山石や青田石と比べると価格は高いので、篆刻をはじめてしばらく経ち、良い石に挑戦したいと思った者が手にする石として最適だと言われています。
また、芙蓉石はパワーストーンなどで知られるローズクォーツの派生の石で、成分が非常によく似ています。
芙蓉石は印材として使用されていますが、ローズクォーツはイヤリングやブレスレットといったアクセサリーに使用されている事が多く、「愛とやさしさの象徴」とされ、「恋愛成就」に効果を発揮すると女性から高い人気を得ています。
そんな芙蓉石の特徴でもあるピンク色は光に敏感で退色しやすく、これは不純物として混入している微量のチタン、鉄、マンガンによりピンク色に見えている事が大きく関係しています。