筆筒は「ひっとう」「ふでづつ」などと呼ばれ、筆を立てておくための筒状の入れ物です。
筆を立てておく道具として使用されますが、洗ったばかりの筆を筆筒に立てて保管してしまうと穂先に残った水分が逆流し、筆の軸の中に入ってしまい筆を傷める原因となってしまうため、必ず筆が乾いてから筆筒に立てるのが常識です。
筆筒の素材は竹、陶器、金属、石、ガラスなどで作られている事が多く、中国の国立故宮博物院には『彫竹窺簡図筆筒』という竹を素材とし、着飾ってまげを高く結い上げた女性と背景に机、花瓶、香炉、筆、硯などが細かく彫り込まれた見事な作品が所蔵されています。
このように竹でできた筆筒は「雕竹(ちょうちく)工芸」と呼ばれ、中国の宋の時代から江蘇省(現・上海郊外)を中心に栄え、数々の名匠を生み出し、中国独特の文化として世界に広まりました。
ちなみに筆筒は中国の宋の時代から作られるようになったとされており、この頃に制作された竹筒は貴重とされ、円形または楕円形のシンプルな形をしているのが最大の特徴です。
また、デザイン性を重視した見事な彫刻が施された竹筒は鑑賞用としてコレクターの間で高い人気を得ています。