画仙紙は書画用の紙の事で、中国から輸入されたものを手本として作られるようになり、中国のものを本画仙、日本のものを和画仙と呼びます。
画仙紙の大きさには基本規格として小画仙、中画仙、大画仙があり、製紙仕上げ段階の仕上げ方法により単箋、二層、三層などに分けられています。
この他にも原料の産地や紙質、サイズによって様々な名称があり、日本では甲州画仙、越前画仙、土佐画仙などがあり、中国では煮硾箋(しゃついせん)、玉版箋(ぎょくばんせん)、羅紋箋(らもんせん)、豆腐箋(とうふせん)などがあります。
現在の中国・安徽省県地域周辺では画仙紙の原料となる良質な青檀の木が自生しており、この土地の旧名である「宣城」にちなんで「宣紙」と呼ばれるようになり、これが画仙紙という呼称の由来と言われています。
また、中国で「宣紙」と呼ぶ事が許されているものは、安徽省県烏城地域で伝統手法によって生産される紙に限定されており、ブランド名として「宣紙」を冠している製品も見られるため注意が必要です。
そんな画仙紙ですが手漉きと機械漉きのものがあり、機械漉きの方が安価で流通しており、「にじみ」や「かすれ」が出にくいため練習用の紙として使用される事が多いのが特徴です。
また、漢字、仮名でも使用される画仙紙に違いがあり、漢字はにじみやすい画仙紙を、仮名はにじみにくい画仙紙を選ぶと良いとされています。
そして、画仙紙は寝かせる事で紙に残る余分な水分が抜け、墨の発色が良くなるとされており、長期間保存する場合は防腐剤を入れて湿気の少ない場所で保管します。
保管の際も画仙紙の日焼けを防ぐためにケースに入れ、直射日光を避けた風通しの良い場所に置く事で画仙紙本来の力を発揮する事ができます。