鶏血石は鮮やかな紅色をしている石で、その紅色が鶏の血の色に似ているため、鶏血石と呼ばれています。
田黄石、芙蓉石と並んで「印石三宝」と呼ばれ、その価値を知っている日本人観光客は必ず購入しているそうです。
鶏血石にはいくつかの種類がありますが、代表的な鶏血石には昌化鶏血石と巴林鶏血石があり、どちらも採石される産地が名前として使われています。
浙江省の天目山に近い昌化市で採石される昌化鶏血石は、1972年に田中角栄首相と大平外務大臣に国礼として周恩来総理より贈られたものとして日本でも広まりました。
一方で、巴林鶏血石は近年内蒙古自治区赤峰市郊外で採石され、「世界の鶏血石は中国にあり、中国の鶏血石は巴林にあり」と言われるほど極品がよく採石され、現在では昌化鶏血石よりも高い人気を誇っています。
鶏血石は主に印材として用いられるのですが、中国では「石の皇后様」と呼ばれ、最高級のものは観賞用として楽しまれています。
鶏血石は石に含まれる血色の量によってランク付けがされており、血色が30%を占めていれば「上級」、50%以上で「珍品」、70〜80%を占めているものは「大紅袍」、80%以上では「最上級品」と定められています。
しかし、80%以上の地色を含む鶏血石はなかなか採石されないため、とても貴重で、市場でも高額で取引が行われています。
ちなみに田中角栄に贈られた鶏血石は「大紅袍」の鶏血石でした。
また、鮮やかな血色が一ヶ所に集まっていて石の中まで血色が染み込んだように続いている方が価値は高くなります。