紀伊半島の南部、三重県熊野市の神川町、育生町の谷や、川底、山中から採石された石で作った硯です。
その昔、神川の川原から北山川・熊野川を下って、那智の海岸へ流れ着いた漆黒の石が「那智山詣でをしてきた石だ」と評判になり、珍重されたことから、この名がついたともいわれています。
黒い色は、石に含まれる炭素によるもので、粒子の緻密さといくつかの要素が重なり合って、磨けば磨くほど漆黒の艶があらわれます。
鋒鋩が少なく、滑らかなため磨墨に時間がかかりますが、出来た墨は滑らかで文人墨客に喜ばれています。
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