【羅紋硯】買取作家・取扱い一覧 書道具

羅紋硯(らもんけん)は羅紋石という中国・江西省で採石される石から作られる硯の事です。

羅紋石は石質粘板岩の一種で、薄い板状の岩が層になっているのを縦割りに切り取り硯に仕上げているため、横目に細かい文様があるのが特徴です。

そのため、羅紋硯という名称もこの文様が由来となっています。

硯のヤスリ目である鋒鋩(ほうぼう)は少し荒いのですが、墨おりは比較的早く、材料の石が大量に産出されるため、価格も手軽で学童用として使用される事の多い硯です。

また、近年では100円ショップで見かける事もあります。

 

羅紋硯は歙州硯(きゅうじゅうけん)に似ているため、羅紋硯を歙州硯として売られている事もあるようです。

それは、歙州硯の材料となる歙州石が中国・安徽省竜尾山という場所で産出されるのですが、安徽省ム源県にある、芙蓉渓一帯からも産出されました。

この地域には竜尾山の他にも羅紋山があったことから、歙州石を「竜尾石」「羅紋石」と呼ぶため、羅紋硯と間違えてしまうのです。

また、間違っているわけではないのですが、歙州硯を「羅紋石」という呼称から「羅紋硯」と呼ぶ事もあり、よく混同されているのも原因です。

 

しかし、羅紋硯が手軽な硯なのに対して歙州硯は端渓硯と並び称される名硯ですので、その価格の差は雲泥の差となっています。