文字を書く時に使用する墨で煤を集めて膠で固めたものです。
赤松の表皮を削りとった部分に刃物で傷をつけしばらく放置しておくと「松脂(松やに)」が噴出してきます。
それを削りとって乾燥させた後、細い棒状に小割りして、障子張りの部屋の中で燃やし障子についた煤をとります。
この方法を「直火焚き法」といい炎のコントロールによって、粒子の細かさを調節し、細かいと赤系に、少し大きな粒子が混ざると茶系に、大きな粒子が増えると紫紺系になり、粒子のほとんどが大きいものになると青系になります。
また、直火焚きの時に部屋への空気の流入を抑えた小さな炎で採煙したものは細かい赤みのある美しい煤が採取でき、両もたくさん採れないので、大変高価なものになります。
そして、時が経つにつれて墨色が変化していき、青味が強くなっていくので青墨とも呼ばれます。
最大の特徴は、松煙墨で紙に書いた場合でも青墨化します。
特に木の看板など木材に墨で文字を書いた場合は、長い年月雨風にさらされると急激に青墨化してしまい、最後には文字が剥離してしまいます。
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