高知県の三原村で採石された石で作られた硯です。
蒼黒色系の柔らかい肌ざわりで、土佐硯に現れる金星・銀星は中国二大名硯と言われる「端渓硯」「歙州硯」にも匹敵すると言われ、書家の間では評価が高い硯です。
土佐硯の始まりは、文才があり能書家であった一条公は、この地で良質の硯石を見つけ、硯を作り長く愛用したと文献に残されており、昭和時代の高知の書家・新谷健吉によって三原村源谷地区で高品質の原石が再発見され、製作されるようになりました。
現在豊富に採掘されている硯石の最高級品として評価を得ていますが、他の産地の和硯と比べると知名度は低く、その理由として再発見されるまでの長い間幻の硯石として一般には知られていなかったからだといわれています。
現在は原石も豊富にあり、技術も向上していますが、後継者がいないので、体験学習などを開いて後継者の育成、文化伝承に取り組んでいます。
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