創業年=1936年
創業者=ヴァルター・ツァップ
創業国=ラトビア(後にドイツに移転)
「ミノックス」とは、ラトビアで創業しドイツに移転した光学機械メーカーミノックス、および同社の製造する超小型写真機のブランド名である。日本には日本シイベルヘグナーが輸入していたが、2004年代理店が駒村商会に交代している。
1936年、エストニアでヴァルター・ツァップを中心とするチームによってプロトタイプが開発されたが、支援してくれる企業が見つからず、ラトビアのリガに在ったVEF社と契約し「ミノックスI型」の製造が開始された。戦後、製造拠点を西ドイツのギーセンに移転してカメラ生産を開始した。拠点はその後ライカの工場があるヴェッツラーに移転し、そこでミノックス社を設立した。
「ミノックス」は、幅9.5mmのマガジン入りフィルムを使用した8×11mm判で、わずか100mm強程度の大きさ、金属製ライターを引き延ばしたような形状で成人男性の掌に収まるほどの小型カメラである。一般の小型カメラに劣らない鮮明な写真が撮影でき接写も容易であるなど優れた性能を備え、スパイカメラとして世界的に知られるカメラとなった。
シャッターはスライド羽根型のフォーカルプレーンで、シャッタースピードは1/2秒から1/1000秒まで制御できる。レンズの性能はきわめて優秀であり、大倍率の引き伸ばしに堪えるものである。
1974年には、一般的な135フィルムを使用する「ミノックス35」シリーズが追加。2009年にはコンパクトデジタルカメラも発売された。