創業年=1917年
創業国=日本
ニコン(Nikon)は、株式会社ニコンのブランド名および社名である。由来は、元の社名である「日本光学工業(NIPPON KOGAKU K.K.)」の略称である「ニッコー」の語感を良くしたものである。米国では「ナイコン」と発音されているが、ヨーロッパおよびアジア諸国では「ニコン」の呼び名が主流である。ニコンカメラはライカ判一眼レフカメラのニコンFシリーズ、デジタル一眼レフニコンDシリーズ、コンパクトデジタルカメラCOOLPIXシリーズなどで世界的なブランドとして知られ、とくに報道用カメラでは、キヤノンとともに世界を二分するシェアを誇っている。
ニコンの歴史は、1917年に東京計器製作所の光学部門と岩城硝子製造所の反射鏡部門を統合し、三菱の出資をもって日本光学工業㈱が設立された時から始まる。当初は双眼鏡の製造を始めていたが、ドイツ人技術者を招聘して光学技術の向上に努めた。1931年に 写真レンズの商標を「ニッコール」(Nikkor)と決定。46年に35mmカメラの名を「ニコン」(Nikon)と決定し、後にブランド名となる
戦後のニコンは、カメラは新規事業であったが、「民生用カメラを成功させることが会社の存続につながる」と、全社挙げての開発体制が敷かれ、1948年、画面サイズ24×32mmのいわゆるニホン判「ニコンI」がニコン初の量産カメラとして発売となった。1954年発売の「ニコンS2」は画面サイズがフルサイズの24×36mm(ライカ判)としたもので、軽合金ダイカストボディーを採用し軽量化・高精度化され、また写真家三木淳の発案による撮影後のフィルム巻き戻しが迅速に行えるという世界初の巻き戻しクランクが取り入れられた。「ニコンS2」に続く「ニコンSP」(1957年)は、文字通り距離計連動式ニコンの最高級機となったが、すでに時代が一眼レフカメラに移行しつつあった。
1959年、ニコンは最初のプロ用のライカ判一眼レフカメラとして「ニコンF」を発売した。このとき採用された「ニコンFマウント」は、同社レンズの標準規格として使用され続けることになる。以後、F2から2004年発売の「F6」までシリーズ化され、視野率 100% の交換式ファインダーやスクリーン、品質や耐久性など、その妥協のない設計思想に基づくFカメラは、世界的名機としての名声を得ており、デジタル時代の今でも愛され続けている。
2006年からフィルムカメラ部門を縮小し、デジタルカメラ部門に集中することになった。デジタル一眼レフカメラは、すでに1999年に「ニコンD1」を発売し、「ニコンD」シリーズとして展開していたが、2007年には従来のDXフォーマット(APS-Cサイズ)ではなく、35mm判フルサイズ撮像素子を使用した「D3」を発売した。35mm判ながら解像度を1210万画素に抑えたことから、大幅な低ノイズ、高感度が可能となった。以後、2012年までにおいて、「D800」「D800E」が35mmフィルムサイズに準じた撮像素子搭載のレンズ交換式デジタル一眼レフカメラにおいて世界最高となる3630万画素を達成した。