創業年=1963年
創業者=長岡啓一郎
創業国=日本
長岡製作所は、東京の東上野で中判、大判サイズの木製の銀塩(フィルム)カメラをオーダーメイドで製作している。木製カメラの部品作りから組み立てまでこなす職人は全国で2人といわれる。社長の長岡氏はその一人である。海外からの注文や特注品も多い。
正確に削り、凹凸ができないように塗装した木版に、錐(きり)で穴を開け、真鍮(しんちゅう)で加工した金具をねじで留めていく。レンズと蛇腹、ビス以外は手作りのため、主力の「シノゴ」と呼ばれる4×5インチの大判カメラも多くて月産十五台程度。さらに大判の8×10インチの「エイト・バイ・テン」などに加え、一台に3~6か月をかけて特注品も作る。「フィールドタイプ」という折り畳み式カメラも得意の一つ。本体が約1.4キロで他社製品の三分の一程度と軽く「山歩きをする高齢の女性も愛用してくれている」と好評である。
専門の木製蛇腹カメラは、「ウッディ45D2」や「ウッディ810DX」など4X5~8X10に留まらず11X22などの特殊タイプまで手がける。最近マスコミ取材の多いピンホールカメラの普及に尽力している。