中国特有の伝統工芸で、極細の筆を使って手のひらサイズのガラス瓶や透明の容器の内側に絵や文字を描いたものです。
高級品では、水晶や琥珀などに描いたものもあります。
元々は内画鼻煙壺(かぎタバコを入れるつぼ)に施されるものでしたが、現在では上質な室内装飾品として人気があり、コレクション要素も備えているのでコレクターを魅了しています。
内画は「内画技法」と呼ばれる特殊な技法で描かれており、先が垂直に曲がった筆を使って絵を描いていきます。
そのため、1つの作品を仕上げるまでに数か月かかる場合もあり、非常に高い技術と忍耐力が必要とされています。
中国無形文化遺産リストに登録されており、発祥地である河北省衡水(ホンスイ)市は中国文化部門によって「中国の内画の故郷」に指定されています。
また、内画は発展の段階によって京(ジン)派、魯(ルゥ)派、冀(ジー)派という3つの流派に分けられます。
京派は竹筆、柳筆を使って絵を描き、画風は厚朴、古雅といった特徴を持っています。
魯派は極細筆を使い絵を描き、画風は繊細で精巧なものが多く、鮮やかな色使いが特徴です。
冀派は肖像画や有名な古い絵を模写したものを中心に制作しています。