中国・河北省出身の彫刻家です。
父親は有名な文学者で、母親は女優という家庭環境で育ちました。
そのため、幼い頃から絵に興味を持っており、そこから美術全般へと興味を広げ、最終的には彫刻家を目指すようになります。
彫刻は独学で学び、中国の文化大革命という「封建的文化、資本主義文化を批判し、新しく社会主義文化を創生しよう」という名目で行われた改革運動の後、初めての前衛藝術グループとなる「星星画会」を結成し、活躍していました。
この「星星画会」は表現の自由を求め結成された美術団体で、20世紀初頭の美術からポップアート、パフォーマンスアートまでを一気に展開していましたが、中国当局の圧力を受けて活動を停止させられてしまい、主なメンバーは国外で散っている事で知られています。
王克平もその散っていったメンバーの一人で、フランスへ移住し、生活と彫刻家としての活動の拠点としました。
フランスへ移住してからはゴッホやアンリ・マティスに影響を受け、自らの作風を磨いていきます。
その作風は、女性の体を抽象化した作品が多く、ねじれ、ひねり、折り曲げなど曲線的なものが多いのが特徴です。
この他にも毛沢東を始めて愚弄した彫刻作品「万々歳」を制作した事でも知られています。
こうして、パリ、ニューヨーク、韓国、ボストンなどで多くの展覧会を開催しており、世界的にも有名な彫刻家として活動する王克平の作品は、フランスパリ市政府、パリ現代芸術博物館、韓国・ソウルオリンピック公園は、アメリカボストン大学、台灣州立美術館などに収蔵されており、その他にも世界各国のコレクターたちが所有しています。