中国・黒竜江省出身の中国の画家です。
国家一級美術師であり、中国水墨画の大家として活躍しています。
日本の水墨画と趣が異なる雄大な情景を描き出す事で知られており、雪に覆われた森林や河川など中国東北地方の大自然の美しさを黒の濃淡でデリケートに表現した作風が特徴です。
これまでの中国の伝統的絵画の表現対象は山、水、雲、樹木の4つの要素でしたが、于志学は山、水、雲、樹木、氷雪の5つの要素を表現対象とし、中国国内はもちろん海外にも大きな影響を与えました。
そのため、イギリスのロンドン国際出版センターにより、功績のある中国の画家として『世界名人リスト』にその名が刻まれています。
王修治とロシア人画家ソコロフに師事し、春華美術学校で技術を学んだ于志学は雪景色の技法を研究し、これまでの中国の水墨画は墨で直接氷雪を表現しない手法をとっていたものを打ち破り、独自の世界観を生み出しました。
この技法が生まれた事により、氷雪画派という流派が確立され、于志学の出身地である黒龍江省を中心として東北3省(黒龍江省、吉林省、遼寧省のこと)に氷雪山水画を描く画家が次々と現われます。
後に氷雪山水画研究会が結成され、100名を数える氷雪画派の会員が国内外の絵画展に合計2773点の作品を出品し、国内外で注目される存在となりました。
この事からも于志学が残した功績は中国美術界の大きな転機となり、現在でも与え続けている影響は大きいとされています。