中国・江蘇省南通市出身の書画家、詩人です。
字(あざな)は十翼といい、水墨による人物画を得意としていました。
「中国人物画の鬼才」とも呼ばれる高い技術力で生み出される作品は中国国内のみならず、海外からも高い評価を受けています。
そのため、アメリカ、フランスなどから招待を受け、大学で数多くの講演を行ってきました。
日本にも岡山県に美術館が設立されましたが、現在は閉館中で、2月の西大寺の祭の時だけ、開館しているようで「幻の美術館」と呼ばれています。
江蘇省南通市の千年続いた詩文家の名家に生まれた范曽は、幼い頃から画を学び、13歳で美術協会へ参加するほどの腕前を身につけていました。
中華美術学園で本格的に画を学んだ後は教師、助教授などをつとめ後進の指導に尽力しています。
指導者として活躍する一方で、書画家として活動も盛んに行っており、フランスやパリなどヨーロッパに滞在し、日本でも西武百貨店や高島屋で個展を開催しているため来日しており、その人気を確固たるものにしました。
水墨による豪放な人物画が有名な范曽ですが、白描にも優れ、文章や詩句にも才能をみせ、「魯迅小説挿図集」などの出版物があります。
また、2008年に四川省で起こった四川大地震の際は莫大な寄付をした事で中国全土で英雄扱いされています。