中国・江蘇省宜興市出身の陶芸家です。
何道洪は茶壺と呼ばれる中国茶を飲むのに必要な日本の急須にあたる茶器の名手として知られており、とても人気のある作家として知られています。
あまりの人気の高さから、過去に行われた何道洪の茶壺のオークションでは1億円以上の値がついたものがあり、とても話題となりました。
何道洪の出身地である江蘇省宜興市は古くから茶壺の原料の一つである良質の紫泥が産出する街として知られており、多くの茶壺職人がいる事で知られています。
そんな茶壺の街で育った何道洪は七大老藝人の一人である王寅春に住込みで師事し、陶磁器の基本的な技術を学び、その後、中央技術美術学院へ入り陶磁器の研究を行いました。
こうして30年以上の月日をかけて習得した技や知識をいかし、茶壺だけではなく花瓶や植木鉢にも秀作を見せ、その数は数百種類にも及びます。
土味をいかした作品もあれば、金色、銀色の線で装飾した煌びやかな作品も手掛けており、その幅広い作域に多くのファンが魅了されています。
しかし、あまりの人気の高さから贋作も多く出回っている作家の一人としてその名が挙げられており、コレクターの間では注意が必要な作家として認識されています。
また、レベルの高い装飾性を持った何道洪の茶壺は実用性はもちろん、美術鑑賞用としても十分通用するもので、投機目的で集めている人たちもおり、新たに制作を依頼しても簡単には入手できない作家として知られています。
