中国・江蘇省出身の中国の画家です。
現代中国山水画の第一人者として知られ、独特な発想、構図そして堂々とした雰囲気や奥深い遠景を有する作品が特徴的です。
その作風の背景には西洋絵画の写生と陰影法も取り入れている事が大きく関係しています。
李可染の作品は写意人物画、牧牛も多く描き、本土文化を土台に中西芸術を融合して独特の絵画風格を形成しました。
幼い頃から絵を描く事が好きで、書や音楽にも優れた才能を見せていた李可染は、13歳の時に銭食芝に師事して王時敏、王鑑、王翬、王原祁の山水画を学びました。
その後、上海美術専科学校で技術を高め、国立西湖芸術院研究生として林風眠に素描と油彩画を、重慶に移ってからは徐悲鴻、郭沫若、老舎に学びます。
この頃、魯迅が指導する一八芸社に参加しており、筆墨を自由自在に動かし、力強い山水画、古典人物と水牛を描くことで有名となっています。
徐悲鴻に招かれて北京国立芸術専科学校教授となると、後進の指導に尽力する一方で、齊白石に10年間師事していました。
こうして中央美術学院教授、中国画研究員院長、中国美術家協会副主席などを歴任し、中国画の表現力を豊かにするなど中国美術界に大きく貢献しました。