古代中国から伝わる焼いた鉄筆や鉄針で焦がすようにして描かれた絵のことです。
他にも「火針刺繍」「火筆画」とも呼ばれています。
前漢の時代に始まり、後漢の時代で盛んに行われるようになりましたが、その後続いた凶作や戦争のため一度途絶えてしまいました。
その後、清の時代になって河南省南陽の「趙星(ちょうせい)」という民間職人の手によって復興し、河南省、河北省などで代表的な流派が作られていきました。
昔の烙画職人は床に這った姿勢を取ってランプで針を焼いて木の板、樹皮などの表面に描いていました。
しかし、この方法では小さな工芸品しか作ることが出来ず、技術の習得が簡単ではありませんでした。
現在では、烙筆を熱したまま筆立に入られるようになり、座って描く「坐烙」の技法を確立しました。
この技法によって画仙紙や絹織物など様々な材質に描く事ができるようになった事と、道具も電気式となった為、技術の習得が容易になりました。
そして、作品は直径1センチ足らずの小さい数珠から、数メートルの長巻や大型の壁画まで作れるようになり、芸術品として発展していきました。
代表的なものとして「清明上河図」「大観園図巻」「万里の長城」が有名です。
烙画は、他の中国画、油絵などとは異なる独特の風格を持っています。