郎世寧のお品を買取ります
郎世寧は、18世紀をほぼすべてに渡って広大な領地を支配した乾隆帝に仕えたイタリア人ジュゼッペ・カスティリオーネの中国名で、生まれはイタリアのミラノです。
イエズス会の宣教師であったジュゼッペ・カスティリオーネはカトリックの布教のためにはるばる中国までやってきました。
しかし、カトリックの布教は中国国内では禁止されてしまい、宮廷画家として乾隆帝に仕える事になりました。
そのため中国名である「郎世寧」を与えられ、中国に西洋画の技法を伝え、中国の美術や建築に大きな影響を与える事となりました。
もちろん、宮廷画家としての仕事もしっかりとこなしており、乾隆帝やその皇妃、子供たちの肖像画を多数残した事でも知られていますが、「皇帝の顔に影を描いてはいけない」という決まりがあったため、西洋画の特徴でもある影を入れて描く事ができず、その肖像画のほとんどが正面を向いており、皇帝の顔がのっぺりとした顔立ちで描かれているのに対し、騎乗している馬は西洋画の技法で立体的に描かれているなど面白い作品も見る事ができます。
そんな郎世寧はもちろん中国画も残しており、人物、花卉、鳥獣画を得意としており、動物の中では馬の絵に優れた作品が多く見られます。
また、他の宣教師たちと一緒にバロック様式を取り入れた離宮・円明園の設計にあたるなどの活躍も見せておりますが、その建築物はアヘン戦争の時に西欧の強国(西洋列強)らに徹底的に破壊されてしまいました。