中国・江蘇省宜興出身の女性の陶芸家、茶壺作家です。
中国国家から認められた資格である江蘇省工芸美術大師の称号を持っており、現在は北京に住まいを構え活動の拠点としているため、茶壺の内部には「北京周桂珍」のサインが入っています。
茶壺とは中国茶器の一つで、日本でいう急須と同じ役割を持つ茶器です。
紫泥、朱泥といった土を原料に作られており、清の時代から盛んに作られてきたものでした。
実用性の高いものから観賞用まで様々な茶壺が茶壺作家によって制作されており、周桂珍もそんな茶壺作家の一人です。
ちなみに周桂珍の生まれた江蘇省宜興は茶壺の産地として有名で、この地で採取される原材料の紫泥は高級品とされています。
周桂珍は陶芸家の王寅春と顧景舟に師事して技術を学び、特に顧景舟からは大きな影響を受けました。
その後40年以上もの間、創作活動を続け紫砂壺の技術向上に素晴らしい功績を残してきました。
それは必要最低限の彫刻しかせず、伝統技術を駆使した作品たちは女性作家ならではの優しさと美しさを兼ね備えたもので、紫砂壺界に新風を巻き起こしました。
その実力が認められ、中国を訪問する海外の大統領や首相たちなどの贈り物として制作しています。
周桂珍の作品は、中国国家博物館、中国工芸美術館、南京博物館院、香港茶具文物館、台湾歴史博物館などに多数収集されています。
また、近年では現在入手可能な最高の土である紫紅泥で制作を行う事が多く、オリジナルの色味が人気を高めています。