中国・四川省出身の中国の画家です。
山水、人物、鳥獣を得意としている事から動物画家として名声が高く、特に虎の画は高い評価を受けています。
これには長年虎を飼い続け、観察や写生を行い、虎の筋肉の動き、毛の流れ、仕草などを研究した結果、独自の画風を完成させた事で得られた名声でした。
日本でも張善孖の虎画は郵便切手のデザインに起用されました。
また、弟の張大干も画家として活躍しており、「南に張あり」と称えられるほどの実力を持ち、兄弟そろって中国美術界はもちろん、日本の美術界にもその名が知られています。
張善孖は上海美術専科学校教授として教鞭をふるいながらも自らの制作活動を続けていましたが、抗日戦争(日中戦争)の後、アメリカへ渡ります。
アメリカではチャリティー画展を開催するなど、画壇での名声よりも自らのやりたい事を実現させていきます。
晩年は中国へ戻り、後進の指導にあたるなど中国美術界に大きく貢献しており、制作活動も精力的に行っていたため、多くの作品が残されています。
また、弟・張大千とともに来日して京都芸術専門学校へ留学しており、虎画もこの頃から本格的に手掛けるようになりました。