牛首紬は主に石川県白山市白峰地区で生産されている紬織物で、釘を抜けるほど丈夫なことから釘抜紬とも呼ばれています。
牛首紬と呼ばれる所以は、白峰地区が明治初期まで牛首村と称されていた事が大きく関係しています。
白峰地区では古くから養蚕業が盛んに行われており、上質な繭から生糸や羽二重にするために出荷されていました。
しかし、その中でも商品として出荷する事ができない残った繭を使って、冬の家計の足しにしようと織物が作られるようになったのが牛首紬の始まりとされています。
牛首紬の最大の特徴は、玉繭と呼ばれる2匹の蚕から作られた1つの繭を使う事と、染織は糸の段階で草木染め、または白無地のまま出荷するという事です。
現在、牛首紬は石川県指定無形文化財、経済産業大臣指定伝統的工芸品、地域団体商標「牛首紬」、石川県牛首紬生産振興協同組合「認定織物」など様々な認定を受けており、それぞれに指定の要件が設けられており、ラベルも製法や工房によって分けられています。
また、牛首紬は手作業で行う事を基本とされており、全生産工程を一貫して一つの工房で行うという全国でも珍しい生産方法をとっています。
牛首紬の歴史は平治の乱で落ち延びた源氏の妻女が、機織りの技術を牛首の者に伝えたのが始まりとされており、江戸時代には全国に出回るようになり、明治末期から昭和初期にかけては最盛期を迎え大いに栄えました。
しかし、経済不況や日本人の洋装化にともない生産量が減少していき、一時は衰退の危機に直面します。
しかし、現在は再興する事に成功し、現代生活に合った製品を製作するなどの工夫を加え、昔ながらの製法を守りながら高級紬としてその地位を保ち続けています。
『着物』
『反物』
『バック』
『人形』
『帯』
