勝山織物は西陣織の機元で、数少ない手機で帯を制作している名門です。
養蚕、機、染め、撚糸すべての工程を自分たちで行っているため、外部委託は一切行っていない事で有名です。
また、これらの工程は手際の良さや効率を考えたものではなく、絹糸本来が持つしなやかさ・透明感・軽さ・光沢感などを感じてもらえるように細部にまで気をくばり、一貫したものづくりを目指した結果で、勝山織物が生み出す帯はどれも締める人の事を考え抜かれ織り上げられており、締めやすく疲れないと高い評価を受けています。
勝山織物は創業から125周年を迎えるほどの老舗で、勝山又吉によって呉服商として創業しました。
その後、2代目が家内工業的に帯を作りはじめ、3代目が家業を継ぎ、勝山機業店となります。
そして4代目と5代目はその意志を継ぎ、京北町周山に工房を構えました。
この周山は盆地特有の湿度を感じ、その湿度が絹糸を非常に扱いやすくしてくれるため、絹織物を作るには絶好の場所です。
勝山織物ではその湿度をいかすために土を掘り、土間を作り、その上に機をたて絹織物を作っています。
また、養蚕が盛んだった長野に絹織製作研究所があり、安定した品質を保っています。
日本では手織りの帯の数が少なくなってきているのが現実ですが、勝山織物では現在も16名の職人が伝統技術を守りつつ、現代のスタイルに合った手織りの帯の制作にあたっています。
中には芸術品と呼べるような手の込んだ帯も見られ、多くのファンがいます。