東京都八丈島出身の昭和~平成時代に活躍する日本の染織家です。
八丈島に伝わる染織技法に独自の技法を加えた作風で人気を集め、「八丈織」と名付けた布を織り続けています。
菊池洋守の作品には単彩無地のものが多いのですが、紬でありながら錦織のようにどっしりとした質感と光の加減によって現れる独特の絹糸の光沢感は、着る事によって更に美しい輝きを放ちます。
八丈島という離島で育った菊池洋守は中学校を卒業するとすぐに染色家・柳悦博に師事しました。
その後、柳悦博を通じて随筆家・白洲正子に出会い、彼女が経営していた「こうげい」という店に作品を納品しながら交流を深めていきました。
そのため、白洲正子の春と秋の展覧会には毎回出品を重ねています。
また、白洲正子自身も菊池洋守の作品を愛する人物として多くの着物を着用していました。
独立して八丈島に工房を構えた菊池洋守は、八丈島伝統の織物である黄八丈にとらわれず、様々な織技法、天然染料と化学染料を併用し、独自の作風を確立しました。
その制作姿勢は作家としてではなく、一人の職人としてひたすら織と向き合っています。