昭和から平成時代の染色家であり
重要無形文化財「江戸小紋」の保持者。
東京浅草に生まれる。
葛飾区立上平井尋常小学校を卒業と同時に
14歳で父康助のもとで厳しい指導を受ける。
1961年、父の死去に伴い工房を継承する。
様々な人脈から協力を得て、
古資料を研究して伝統的な小紋型を復興させた。
また、イギリスの紳士服の染料にヒントを得て江戸小紋に応用し、
防染糊の中に色止剤を混ぜて、
文様部分への染料の浸入を防ぐことを試みる。
これにより、堅牢度が高く鮮やかで
絹本来の光沢を活かす透明感のある染色方法の開発に成功した。
小さい格子の中に菊の花が表情豊かに並んだ
上品な小紋柄は、康孝のオリジナルである。
1964年、日本伝統工芸展日本工芸会奨励賞を受賞後、
同展を中心に優れた作品を発表している。
そして1978年に父についで
重要無形文化財「江戸小紋」の保持者に認定される。