昭和時代の染色工芸家であり、
重要無形文化財「有職織物」の保持者。
京都に生まれる。本名は喜多川平郎。
四百年近く織物業を続けてきた西陣織の老舗俵屋に生まれた。
京都市立絵画専門学校日本画科を卒業する。
その後、父に就いて織物製織技術を学び、
家業を継いで俵屋17代目となった。
正倉院の染織品を研究、有職織物という
平安時代の貴族の装束や調度に用いられた織物に精通し、
その技法の復興に努めた。
大和・奈良時代に、輸入されたり、国内で製作された織物は、
複雑な織りの構造をもち、糸の材質、染料、織り方の解明は難しく、
何年もかかって、正倉院裂23種を復元した。
室町時代以降なくなっていた「羅」という
複雑な織物を復元したことは
和装の世界にとって大きな財産と思われている。