明治から昭和時代の型紙彫刻師であり、
重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者。
三重県鈴鹿市に生まれる。
小学校卒業後、中学へ進むが中退し
て豊田喜蔵に弟子入りし型彫を修業した。
その後、田村駒商店・伊藤万商店で八年間型彫に従事する。
1916年には郷里に戻り、
鈴鹿市に居を定めて独立自営、道具彫の仕事に専念した。
1963年以来、鈴鹿市によって実施されている
伊勢型紙伝承者養成事業の講師に就任し
道具彫を学ぼうとする若者の指導に当たった。
道具彫に一部錐彫を併用することもあったが、
端正な型紙を制作する名手であった。
1955年、重要無形文化財「伊勢型紙道具彫」の保持者に認定される。