夏の高級品で石川県指定無形文化財にも指定されている麻織物。
越後縮にも劣らないと絶賛され、能登縮あるいは徳丸縮の名で広まる。
江戸時代の初め頃までこの地の麻糸は
近江上布の原糸として使用されていた。
その後、独自の良質な織物を作るということで
近江より職工を招き、染織技術を学び、技術が格段に向上する。
こうして文政元年に能登縮が誕生し、その後も技術向上の努力を続け
昭和40年には皇太子殿下への献上品に選ばれるまでになる。
模様の多くは蚊絣と呼ばれる細かな十字で構成されていて
白い地に涼しげに浮かぶ柄とさらりとした肌触りが魅力だ。
現在の織元は一軒だが、町では会館を作る等して技術の伝承に努めている。