大正から昭和時代の染色家であり
重要無形文化財「型絵染」の保持者である。
静岡県静岡市生まれ。
1927年、雑誌「大調和」に記載された柳宗悦の「工藝の道」を読んで
強い感動を覚え、以後柳を師と仰ぎ民芸運動に参加する。
翌年の御大礼で沖縄の紅型を所見して以来、
紅型の美しさに心を奪われ型染の世界に入る。
模様には、文字、植物、人物、風景、幾何学模様など、
実にさまざまなものがあるが初期から晩年まで
明解で親しみやすい作風で一貫している。
その種類も、着物、帯、のれん、屏風、額絵、絵本など、多岐にわる。
また染色にとどまらず
本の装幀、ガラス絵、板絵、赤絵、看板や照明のデザイン、
美術館の設計等、実に幅広い分野で活躍し、豊かな仕事を残している。
色彩と模様に対する天与の才能があり、
従来の染色の枠組みにとらわれない
新鮮で創意あふれる作品を次々と制作。
幅広い仕事をし生涯を通じて明解かつ温和な作風を貫いており
多くの人々に愛好された。
その評価は国内にとどまらず、
1976年にはフランス政府から招待をうけてパリで
大規模な個展を行い大成功をおさめた。
1956年、重要無形文化財「型絵染」の保持者として認定される。