鳥取県米子市を中心に受け継がれる伝統的な絣。
一時は絶滅が危惧されていたが、
昭和50年に国の伝統的産業芸術品として認定された後、
「浜絣あいの会」が弓浜絣伝承のための活動を開始し復興した。
特徴は、糸で織り出す絵柄の豊富さにある。
自家用として織られていた為、
身近なものをモチーフにしたオリジナルの模様が多い。
嫁入りには婚家に落ち着くように「船と錨」、
妊娠すると安産を願って「犬」、
子が元気に育つように「鷹と子供の名前」など
愛情あふれる絵柄に触れることができるのも
生活の中で生まれ、育まれてきたことの証である。
弓浜絣のふっくらとした風合い、濃い藍色、織の精密さは
木綿織で得た技巧の高さゆえ。