ファンソウは沖縄(琉球)の横笛で、中国の明笛が伝わったものとされています。沖縄の笛は、通常の「ふえ」でも通りますが、琉球横笛としてファンソウという呼び方もされます。
構造は中国の明笛と同じで、管は竹製です。ファンソウの元々は明笛ということで、以前は明笛の一番上の響孔と呼ばれる穴をテープで塞いで演奏されることが多かったそうですが、最近は響孔のない6穴のファンソウも売られています。
ファンソウは横笛なので、通常は左に吹き口が1つあります。第1孔から第3孔までを左手で、第4孔から第6孔を右手でおさえて奏します。リコーダーのように、息を吹き込めば音が鳴るというものではなく、音が鳴らせるようになるまでにはある程度、時間をかけて練習が必要だそうです。
ファンソウが沖縄音楽の中でいつ頃から使用されるようになったかは不明ですが、1832年の江戸上りの際の舞楽図に似た笛を使用している絵図がみられるそうです。
ファンソウは主に古典音楽で用いられ、民謡に用いられることはあまりないとされています。