拍子木は、「拍子」を取るための木の音具です。
拍子木といえば、「火の用心」などと声を上げながら拍子木をカチカチッと打ち鳴らして歩く、夜回りや夜警に使われるイメージが強いですが、日本では古来より様々な用途に使われてきました。
紫檀、黒檀、花梨、樫など堅い木材を細長い四角の棒状に切り、2本1組で使います。
材質は、大相撲の呼び出しなどで使われる拍子木は桜、歌舞伎の拍子木は白樫が定着しているそうです。
拍子木はひと昔には、紙芝居屋さんが夕方になると自転車に乗ってやってきて、 拍子木を鳴らして「みんな寄っておいで」の合図として使われていました。
また、寄席や雅楽・祭りのお囃子の先導役として用いられるほか、現代音楽でも打楽器として使われることがあります。雅楽で使われる拍子木は
笏拍子という、一般的な拍子木よりもっと薄くて長いものが使われます。
歌舞伎での拍子木は、幕の開閉の時や「知らせ」「きっかけ」「ツナギ」に使われます。拍子木は2本を紐で結んで、使わないときは自分の首にかけてぶら下げておくことができるものと、紐を結ばない「かまぼこ型拍子木」と呼ばれるものがあります。