菊田束穂(つかほ)は、尾張累代雅楽器司で、文化財保護法に基づく選定保存技術「雅楽管楽器 製作修理」(人間国宝)の保持者として認定を受けていました(平成元年 死亡により解除)。
本名は菊田金一郎、雅号が菊田束穂。
雅楽器の笛に関しては、熱田神宮西門にある菊田雅楽器店(名古屋市熱田区白鳥2丁目)の宮流神楽笛が標準とされているそうです。
菊田雅楽器店とは、熱田神宮社家であった菊田金太夫が明治時代初期に神楽師から楽器製作者に転身して店をはじめ、以後代々受け継がれている楽器店で、この菊田雅楽器店の先代が菊田束穂になります。菊田雅楽器店は、雅楽器のほかに尾張を中心とした地域の祭礼で使われる神楽やお囃子の笛など数多く作っています。
菊田束穂の笛は吹きやすい管で、音色も柔らかいとされ、龍笛の頭部に詰められている錦の部分が青色であると菊田束穂の作の証であるといわれています。
また、菊田束穂は正倉院嘱託として御物の笛類を復元したとされています。