沖縄三線の名工。
1953年に沖縄生まれ、20歳で三線職人の道へ入り、現在は沖縄県宜野湾市の又吉三線屋の店主でもあります。
父の三線屋を受け継いた当初は、三線を製作販売していましたが、そのうち、お客さんの求める三線を求めるがままに作ることに違和感を覚える様になっていきます。
その頃、琉球王朝時代の国王や貴族が重宝していた開鐘や名器の図面を入手する機会を得、いったん店をたたみ、開鐘・名器の研究に没頭するようになります。
古三線の型とりに没頭し、又吉康美が影響を強く受けたのは銘苅春政氏だそうです。研究・復元を繰り返し、名器・開鐘の音「太陽の音」を完成させ、さらに研究
を重ね、「愛が鳴り響く」を意味する「太陽鐘」を発表します。太陽鐘は"てぃーだがに"とよみ、王朝時代に作られた三線で、高音でカラッとした音を出します。
又吉康美作の証として、芯に銘彫「康美作」がありますが、初期の作には3つの丸印が入っています。また、爪裏の彫り込みも又吉氏独特のものです。
三線は沖縄の魂 沖縄の心として、又吉康美は棹作りから皮を張ることまでを一人でこなす今は珍しい職人です。