法会、儀式などに用いる仏具のうち、音の出るものの総称を梵音具(ぼんのんぐ)といいますが、
妙鉢(みょうはち)はその梵音具のひとつです。元来は宮中などで打楽器として用いられていましたが、のちに寺院などでの法具となり、修法や説法の場で妙鉢を打ち鳴らすようになりました。日本に伝来したのは、平安初期とされています。
妙鉢は、二枚一組で半双と呼びます。妙鉢はシンバルに似た形態をしており、左右擦り合わせるか、打ち合わせて使用します。妙鉢を鳴らした後に、擦り合わせることにより、鉢の擦れる音を長く保つことができるそうです。
妙鉢は、浄土真宗以外の余宗で使われますが、寺院や地域によっては使わないところもあるそうです。妙鉢は主に葬儀など式の始まりや終わりなど節目の合図として、また仏様をお迎えしたり、お送りする際に使われます。
妙鉢は鍛金技法により、叩き出して作り上げられ、調律して仕上げられます。また、妙鉢は打ち鳴らして使用するので、長年使っていると経年劣化によりひび割れがおこることがあり、修理やメンテナンスも必要となります。