日本古来の琴は、和琴(わごん)といい、倭琴または「やまとごと」とも呼ばれます。和琴は古くは楽曲に用いられたこともありますが、神楽・東遊など雅楽の日本古来の歌舞に用いられる6弦の琴です。まれに5弦であるものもありますが、和琴には音を調節するための柱がありません。
琴軋(ことさぎ)と呼ばれる縦長の爪でかくなどして音を出します。突起もないので、バイオリンと同じように弦を押さえて音程を作ります。
素材は桐材一般的で、木を舟形にくりぬき、裏板がつけられ、サイズは全長190cm前後です。
和楽器で一般的な
琴は、奈良時代に大陸から渡来した楽箏から派生して発達したとされますが、和琴はそれとは異なり、日本起源の楽器です。和琴は弥生時代の遺跡からも出土しており、和琴を奏でる埴輪も見つかっているそうです。
また、日本の古代音楽を伝承しているとされる恐山などのイタコが、交霊の際に演奏する楽器の一つとして和琴が用いられることもあるそうです。